この記事は識学総研さんからの転載です。
ミレニアル世代は、α世代の親世代です。ミレニアル世代が生まれたのは1980年代~1995年頃で、インターネットやパソコンが急速に普及する過渡期を経験しています。
オンラインやデジタル機器を使いこなせる人と、慣れていない人が入り交ざる時代を経験しているため、アナログとデジタルの使い分けが得意です。FAXとメールの使い分けや、電話とLINEの切り替えなど、臨機応変に行えます。
一方でα世代は、インターネットが普及してデジタル化が進んだ時代に生まれています。紙媒体や固定電話からは離れ始めており、情報収集やコミュニケーションはオンラインが基本です。
固定電話の使い方が分からない子どもがいる、という話も耳にするほどです。活字離れも進んでいるため、ミレニアル世代よりも最新のデジタルには強い反面、アナログな方式がやや苦手な傾向にあります。
α世代の7つの特徴・価値観
α世代は親世代のミレニアル世代や、1つ前のZ世代と似た部分もありますが、α世代ならではの考え方も持っています。代表的な7つのα世代の特徴と価値観を解説します。
1. デジタルネイティブである
α世代が生まれた2010年代序盤~2020年代中盤頃は、既にデジタル技術が広く普及し、当たり前に使われていました。
そのため、多くの人が生まれたときからデジタル技術が身近にあります。物心ついたときにはデジタル技術を使っていたということになります。
また、ミレニアル世代の両親やZ世代の兄姉がインターネットを使っているのを見てきているため、オンラインコミュニケーションも生活の一部です。
友人間でも、オンラインゲームやSNSによるコミュニケーションも普通に行われています。授業や両親からデジタルの知識を学ぶこともあり、α世代はデジタル技術やオンラインを使って当たり前のデジタルネイティブ世代です。
2. オンライン上でのコミュニケーションに抵抗がない
α世代は新型コロナウィルスの影響を小学生くらいの年齢で受けています。
オンライン授業や外に遊びに行けない環境が続いたため、その間に体験したオンラインコミュニケーションには抵抗がありません。SNSを使った発信やオンラインゲーム、ビデオ通話など多種多様なオンラインコミュニケーションに積極的です。
これはインターネットを使えば住んでいる場所が離れていても交流できることや、世界中の人に向けて発信ができるというオンラインの強みを十分に理解しているからでしょう。
また、α世代はVTuberやメタバースなど、仮想現実・仮想空間での遊びも身近です。新しい技術に触れ、その楽しさを見つけてきた経験があるため、今後登場するさまざまなデジタル技術に対しても抵抗なく接していける世代です。
3. タイムパフォーマンスを重視する
タイムパフォーマンスとは、掛けた時間に対する効果のことです。コストパフォーマンスが費用対効果であるのに対し、タイムパフォーマンスは時間対効果になります。
α世代はこのタイムパフォーマンスを重視する傾向が強いです。より短時間で多くのことを学んだり、効率的に選択したりできる手段を好みます。
一例としては以下のようなものがあります。
- 動画や映画を倍速で再生し、同じ時間で倍の情報を得る
- 長い動画よりも要点がまとまったショート動画を好む
- テレビよりもWeb上やSNS上で自分にとって必要な情報だけを集める
- 自分の好みに合致した提案がもらえるパーソナライズサービスを使う
4. モノよりも経験や興味を重視する
α世代はオンラインやデジタル技術の普及により、モノよりも経験や興味を重視する世代でもあります。
例えば、動画配信サービスや電子書籍、NFTアートなど、DVDや本、絵画の現物がなくても興味や欲求を満たせる手段が次々に登場しています。オンラインゲームに代表される仮想現実の世界も同様で、モノを持っていなくても多くの体験ができる時代です。
その一方で、現代は大量のモノが作られて安価で販売される時代でもあります。モノがあって当たり前の時代で生きるα世代は、モノよりも自分が得られる経験や興味を重視する傾向にあります。
もちろんモノがまったく不要だとは考えていませんが、物質的な豊かさよりもツールやサービスとしての価値で必要性を判断するようです。
5. 多様性を重視する
α世代は、インターネットを通じて世界中のあらゆる国の人とコミュニケーションを取れる環境に置かれてきました。そのため、さまざまな考え方や価値観を受け入れることに抵抗がなく、多様性を重視する傾向にあります。
近年は多様性に関連するニュースを多く見かけるようになり、性別や国籍、思想などに対する考え方が大きく変化しつつあります。
LGBTや働き方、日々の生き方まで、すべてにおいて人それぞれであり個人と自由を尊重する、そのような考え方も広まっています。
日本では根強く残っている年功序列や男尊女卑、学歴差別などは、α世代にとっては時代遅れの代物なのかもしれません。
6. 新しい教育を受ける
α世代は学校教育の一環としてプログラミングを学び、英語教育にも力が入っています。
タブレットやパソコンを使った教育も進んでいるため、デジタル技術やオンライン、英語は生活の一部のようになっています。特にプログラミング教育は、2020年に小学校で必修化され、より力が入れられました。
こうした教育環境の変化により、α世代は前の世代よりもよりデジタルや英語に対する基礎力が高く、学ぶ力も強いと考えられます。多様性を受け入れる柔軟さやタイムパフォーマンスを重視する傾向も影響し、AIやICTとの共存、グローバルな活躍がしやすく、これからの未来を担う存在になっていきます。
7. 社会的な課題への興味関心が強い
α世代の親世代となるミレニアル世代では、環境問題が取り沙汰されることが増えました。そのため、ミレニアル世代はサステナブルな活動や環境への意識が高く、この考え方は子どもであるα世代にも影響しています。
さらに近年は学校教育でもSDGsやサステナビリティを学ぶ機会が増えました。こうした環境によって、α世代は自分が生きる世界や社会がどのような問題を抱えているのか、しっかりと理解しています。
また、SNSやインターネットを使って世界中の情報を集められるため、世界と日本を比較した際の課題や問題にも興味を持ちやすいです。
α世代の重視する働き方
今はまだ学生のα世代ですが、10年後くらいには社会に出て働くようになります。α世代がどのような働き方をするのか、予想を交えて考えていきましょう。
バーチャルを活用した働き方
α世代は、バーチャルを活用した働き方を重視する傾向です。オンラインゲームや仮想空間の発展は目覚ましく、今後はさらにバーチャルが生活の中に組み込まれていくことが予想されます。
例えば、バーチャルオフィスで働くことや、バーチャル空間でのコミュニケーション、VRを使った旅行の疑似体験なども既に活用されています。
α世代が成人する頃には、さらにデジタル技術は進歩しており、こうしたバーチャル空間を使った働き方はより浸透していきます。α世代には、タイムパフォーマンスを重視する傾向がありました。
この特徴とバーチャルは親和性が高く、移動時間や待ち時間が必要な対面よりも、バーチャル空間を使ったより効率的な業務を重視するようになるでしょう。
多様性を考慮した働き方
α世代の働き方には、多様性を重視する考え方も影響します。正社員になることや定年まで同じ会社で勤め上げることだけが正しい働き方ではなく、個人の考えや価値観を重視した働き方が重視されるようになるでしょう。
フリーランスやパラレルキャリアを選ぶ人も増え、性別や国籍、働く場所や時間を問わない多様な働き方が選ばれるようになっていきます。
この変化は世界的にも起こることが予想されるため、日本国内にいながら海外の企業に就職する人や、その逆のパターンが発生する可能性も高くなるでしょう。
また、多様性を重視するα世代は、仕事内容にも独自性や自己表現を求める傾向が強くでると考えられます。
仕事を生み出す働き方
α世代は、AIに置き換わる仕事に就くのではなく、AIを使った新しい仕事を生み出す働き方を選ぶ必要が出てくるでしょう。デジタル技術の発展により、自動化やAI化がさまざまな分野で進んでいます。
今までは人が担当していた仕事がAIに置き換わる現象も出てきており、この傾向は今後も拡がることが予想されます。
また、現段階のAIでは不可能とされているクリエイティビティな仕事や、発想力を活かした仕事を重視するようになるでしょう。
α世代はAIとの共存が求められる社会で働くことになるため、単純作業や肉体を使った仕事よりも、人間にしかできない仕事に価値を見出すと考えられます。
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